大会長挨拶

令和2年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議
大会長 菊田 健一郎(福井大学医学部附属病院 医療情報部長)

謹啓

残暑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

この度、令和3年1月27日(水)〜29日(金)の三日間にわたり、WEB開催にて令和2年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議を開催する運びとなりました。

本会議は、国立大学病院のみならず、公立・私立大学病院等の情報マネジメント部門に関するあらゆる職種の方が一堂に会し、医療の質、医療安全、医療経営、業務の効率化、情報セキュリティといった課題について深く議論を交わすことができる貴重な機会として、長年にわたって開催され、病院情報マネジメント部門の管理・運営に多大な貢献をして参りました。また、病院の職員のみならず、関係する医療・情報関連企業の方々にとっても有益な機会となっております。

令和2年度の本会議は、「医療情報システムのコストベネフィットとは -医療ICT・IoTからBD/AIの効果的活用-」をテーマとして企画いたしました。昨今の医療情報システムは飛躍的に高度化が進んでおりますが、その反面、システムの導入や日常的な運用管理に費やす経費も増大する傾向にあります。この費用に見合った効果をもたらすために医療情報システムを最大限に活用し、医療の品質向上、業務改善などへ寄与することが求められています。

今回、テーマの中にICT(情報通信技術)、IoT(モノのインターネット)、BD(ビッグデータ)、AI(人工知能)の4つのキーワードを盛り込みました。近年では、ICTの発達によって高度な医療情報システムが構築され、IoTの概念によってネットワークを介して医療機器等からも情報を集約する時代となっています。これらの情報は、病院内での利活用だけでなく、国内・国際での大規模な医療BDとして利用することで、医療の更なる品質向上に向けた解析・集計に役立ちます。また、このBDを活用することで、診断や治療におけるサポートツールとしてAIが発展します。本会議では、最近の医療ICTコストカットが囁かれる中で、コストベネフィットという観点から医療情報の重要性を再確認したいと考えています。医療情報システムが生み出すアウトカムが、投資しているコスト以上の効果に寄与していることを議論し、情報投資による医療の変革・安心安全の拡大・働き方改革への重要性を発信する大会となることを期待しております。

今年度はCOVID-19の影響によりWEB開催となりますが、例年以上に有意義な情報交換となるよう全力で進めて参りますので、趣旨にご理解いただき、格別のご支援を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。
末筆ながら、皆さまの益々のご発展をお祈り申し上げます。

謹白 令和2年9月吉日